早急な人口減少・少子化対策を

 我が国が人口減少社会の入り口にきた2003年、内閣府経済社会総合研究所の総括政策研究官が「悲観すべきでない」として以下のように論じました。「労働力が減少するというのなら、生産性を高め、より多くの人が働けばよい。高齢社会のコストが高くなりすぎるなら減らせばよい」「人口減少こそが一人当たりの豊かさを飛躍的に上昇させる可能性がある」「社会の仕組みを改革できれば、人口減少社会はむしろ楽しいものとなる」と。

 このポジティブで効率的な考え方には一見、一定の説得力があるように聞こえますが、決定的に不足しているのは現場感覚ではないでしょうか。現場の視点を欠いた効率主義だと私は思います。

 そんな中、有識者による日本創成会議の人口減少問題検討分科会は、先日「全国1800市区町村別・2040年人口推計結果」を公表しました。

 皆さんも衝撃を受けたと思いますが、これによりますと、地方からの人口流出が続く前提で、2040年にまでに若年女性(20〜39歳)の人口が50%以上減少し、消滅する可能性がある市区町村は全国に896あり、なかでも人口が1万人未満で消滅の可能性が高い市町村は532にのぼるという結果でした。全国の1800市区町村を対象に、人口移動を前提にそれぞれの地域の人口がどうなるかを推計した調査は初めてで、全体のほぼ半数の市区町村が消滅の可能性があるという衝撃の事実が明らかになりました。

 山形県では、50%以上、35市町村中、28の市町村が対象となっております。山辺町は35.4%と該当していませんでしたが、楽観視出来ない状況だということは、誰しも感じるところであります。

 町の人口が15000人を切り、今後、10年スパンで1000人単位で人口減少する推計です。また、議会だよりにも掲載いたしましたが、町内小学校入学者数を見ましても、本年132人の新入生でありましたが、5年後の平成31年度の入学者数は、82人となり、本年度から比べて50人も減少する予測となっています。

 先般開催いたしました議会報告会の中でも、少子高齢化の諸問題について町民の皆様と意見交換させていただきましたが、婚活や子育て支援、雇用創出など具体的な町の施策を望む声が圧倒的に多く、今後、将来を見据えた人口減少・少子化対策の施策に期待しているということをこの場を借りてご報告させていただきます。

 さて、現在、中学3年生まで医療費の無料化など町の子育て支援が充実してきておりますが、これからは、子どもたちへの郷土愛の醸成・教育、若者の出会いの場の創出、婚活支援、青年層の人材育成、雇用の創出など、山辺町にUターン、Iターン、定住、移住し、出会い、結婚し、子どもを産み育てたくなる町にするために、具体的にビジョンを掲げ、具体的な施策を講じなくてはなりません。

 全ては、定住人口・交流人口の増加を目指し、様々な施策をリンクさせ、様々な団体と協力して一日でも早くアクションを起こさなければならないと考えます。

 人口減少・少子化の問題は、今日やれば明日結果が出るようなものではありません。しかし、早く取り組めば取り組むほど効果が期待できる可能性があります。

 わが町の未来のために、それら現状を踏まえ、町の人口減少・少子化に対する考え、今後の対応策などの方向性を示していただきたいと思います。

 以上、よろしくお願い申し上げます。