地域おこし協力隊は、地方自治体が都市部から人材を受け入れ、農林水産業や観光、自治体PRなどさまざまな町づくりに関する事項の支援や仕事を委嘱する制度で、平成21年から導入された総務省の取り組みです。
地方自治体では、都市部の人材を非常勤・嘱託職員として採用し、地域おこし活動を委嘱し、定住を図る施策として、現在、全国の多くの自治体でその制度を活用して地域おこしを行っています。
協力隊の任期は、1年から3年で、報酬は一人年間200万円、活動費として上限200万円が地方交付金として一括で自治体に入ります。
受け入れる自治体、地域は、原則、過疎債などをもらっている条件不利地域や三大都市圏以外の地域となっています。また、応募者は、20歳以上で、条件不利地域外に住んでいる人などが対象となります。
ただし、これはあくまで原則で例外も多数あるのが現状です。
募集は、各地方自治体のホームページや地域おこし協力隊JOINのホームページなどで告知・PRを行い、人数や年齢などの条件面は、各自治体での自由裁量となっています。採用後は、住民票を移動し移住する形となります。
さて、現在、全国的に地域おこし協力隊を受け入れている自治体は、平成25年度で318あり、隊員数は978人にのぼります。
山形県内では、朝日町や西川町などをはじめ、6市10町2村で、合計44人の隊員を受け入れています。全国の受け入れている道県の中では、山形県は7番目に隊員数が多い県になっています。
今なぜこの制度が注目され、各自治体での受け入れが盛んに行われているのか、それは、行財政改革後の職員減少、地域の人材不足、都市部への人材流出などの実情が目に見えて加速してきたこと。また、都市部からの外部人材を受け入れることで、新たな発想のもとで地域おこしや地域の活性化を図ることができること。施策として取り組むための制度条件が自治体にとって有利なこと。なにより国からの経費負担とその後の定住促進へつながる可能性があるからだと考えられます。
わが町でも、現在さまざまな施策を行っていますが、その取り組みを推進させるためや、重点的に取り組む施策やプロジェクトの人材確保をするために、この地域おこし協力隊の制度利用を検討してみる価値は大いにあると思います。
お隣の朝日町では、情報交流推進員として現在二名の隊員が活躍しています。皆さんもご存知の桃色ウサヒとして朝日町を全国にPRする活動を行っているわけですが、そのうちの一人、ウサヒの仕掛人の佐藤さんは、昨年で3年の任期が終了しましたが、現在は、結婚し、朝日町に住み、町から業務委託をされるまでになっています。
こういった成功事例が近隣にあるので、情報交換、情報収集をして、ぜひ検討していただきたいと思います。
以上、わが町で地域おこし協力隊を受け入れられるのか、今まで受け入れを検討したことがあるのかなどを含め、地域おこし協力隊に対する考えをお聞きしたいと思います。